ダイオウサソリの飼い方|寿命、販売価格、餌は?

和名は大王蠍、英名はエンペラースコーピオン。「サソリ界の王」の名を冠するダイオウサソリは、ペットとしてとても人気の高いサソリです。

サソリという恐ろしげな生き物の王様であるダイオウサソリの生態、飼育方法、魅力を詳しくご説明します。

 

ダイオウサソリの特徴とは?

出典:爬虫類倶楽部

アフリカ大陸の熱帯雨林に生息する、最大で全長20cm、体重は30gにも達する世界最大のサソリです。青みがかった光沢のある黒い体とロブスターのような巨大なハサミを持っており、とても迫力があります。

このいかにも屈強な外見に反して性格は穏やかで、サソリ飼育の入門にはうってつけの種といえます。

 

サソリのシンボルといえる毒針の毒性も弱く、人が刺されてもチクッとした痛みを感じ少しのあいだ腫れる程度で、ダイオウサソリに刺されて死亡した、あるいは危険な状態に陥ったというケースは報告されていません。

また獲物を狩る際も毒針ではなく巨大なハサミを使うことのほうが多いので、よほどの扱いしない限り刺されるということはないでしょう。ただし巨大なハサミには相当な力があり、はさまれれば出血することもあります。

夜行性のサソリで、日中は倒木の下などで休み、夜になると地表を徘徊し、昆虫やクモなどを捕らえて生活しています。

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ダイオウサソリの魅力

出典:ワイルドモンスター

まずなんといっても「サソリである」ことが一番の魅力でしょう。冒険ものの映画や物語でサソリが出てくるシーンといえば必ず主人公がピンチのときで、サソリは「危険の象徴」であるといえます。

そのサソリを飼育できるということが魅力であることは間違いありません。一方で「危険の象徴」のサソリ、しかもその中で世界最大を誇る本種が、実はおとなしくて飼いやすいということも魅力の一つです。

同じような巨大なハサミを持つアメリカザリガニと比べても同等か、水質の管理などの必要がないことを考えるとそれ以上に飼いやすいといえます。

 

寿命

産まれてから3年ほどかけて成体になり、寿命は平均10年といわれています。別の種のサソリでは25年も生きた記録があるので、ダイオウサソリも大切に飼育すればそれに近づけるかもしれません。

 

販売価格

ペット用のサソリとして最もメジャーな存在であり、またサソリ飼育の入門種であるダイオウサソリは、値段も手ごろで3,000円から5,000円ほどで売られています。

 

 

ダイオウサソリの飼育に必要なもの

出典:ワイルドモンスター

飼育容器

ふたのしっかり閉まる容器であれば何でも使えますが、世話のしやすさからプラケースが適しています。成体のサイズを考慮するとできるだけ床面積の大きい物が望ましいでしょう。ただし高さはとくに必要ありません。

 

床材

高湿度を好むため、ヤシガラなどの保湿力の高い物が適しています。

 

水入れ

ダイオウサソリは水をよく飲みます。水入れ自体はできるだけ浅い物がよく、爬虫類用の餌皿などが適しています。

爬虫類用の餌皿は深さがなく底が広い作りになっており、皿自体に重さがあるので、ダイオウサソリにひっくり返されるのを防ぐことにも役立ちます。

 

パネルヒーター

フィルム状の加温器具です。プラケースの下に敷いて使用します。

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シェルター

あってもなくても飼育はできますが、野性下では倒木の下などに隠れていることが多いので、それを再現する意味で置いてあげるとよいでしょう。爬虫類用のシェルターでも植木鉢を割った物でも何でも構いません。

 

温度計・湿度計

生き物の飼育において温度と湿度の管理は重要です。専門メーカーから温度計と湿度計が一体になった商品が販売されており、大変便利です。

 

 

ダイオウサソリの飼い方

出典:exotic-supply

飼育環境

プラケースに床材を敷き詰めます。ダイオウサソリは物陰に隠れるほか、土を掘って潜ることが好きな個体もいるので、床材の厚さは3~5cmほどにします。

床材を敷いたらその上に水入れとシェルターを置きます。プラケースの下にヒーターを設置し、飼育の準備は完了です。ダイオウサソリの好む温度は約30℃です。

 

完全地表凄の生き物なのでパネルヒーターはプラケースの下に敷いて使用しますが、ヒーターはプラケースの底面全てにではなく、半分ほどにだけ当てるようにし、暖かい場所と涼しい場所が出来上がるようにします。

シェルターはこの涼しい場所に置くのがよいでしょう。湿度は75%以上を保つようにします。湿度計を見て湿度が下がってきていたら、霧吹きなどで床材を湿らせてケース内の湿度を高めてあげましょう。

 

給餌は週に1回で十分です。ダイオウサソリの体長の3分の1を目安に餌昆虫を与えます。それ以上与えても、ダイオウサソリは自分の食欲の管理は自分でしっかり行うので食べてくれません。

ただし飲み水は毎日入れ替えて、常にきれいな水を飲めるようにしてあげましょう。ケース内の掃除は頻繁に行う必要はありませんが、フンを見つけたら周りのヤシガラごとすくって捨てるようにします。

 

また餌の食べ残し、脱皮後の皮などはダニの発生の原因になるので、すぐに取り除くようにします。
もしもケース内にダニが発生してしまったら、その繁殖を止めることは不可能です。

その場合はプラケースからダイオウサソリを別の入れ物へ移動させ、床材を全て捨てて、プラケースをよく洗います。そして新しいヤシガラを敷き詰めて、またダイオウサソリを戻してあげましょう。

 

 

餌の与え方

出典:exotic-supply

コオロギ、デュビア(ゴキブリ)、ミルワームなど、生き物の餌用として販売されている昆虫は何でも食べます。

これらは全て、ペットショップや熱帯魚店、インターネットで簡単に購入できます。

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まとめ

詳しくない人であれば、「サソリ」と聞くだけで恐ろしい生き物と思ってしまうものです(もちろん本当に恐ろしい種類もいますが)。

しかしダイオウサソリは、見た目こそサソリの恐さを持っていながらおとなしく、飼育も容易、安価で入手でき、さらに長寿であるなど、ペットとしてとても素晴らしい資質を持った生き物なのです。

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